腰椎すべり症とは？

腰椎すべり症は、背骨（脊柱）を形成する椎骨にズレが生じている状態のことを指し、大きく腰椎変性・腰椎分離・形成不全の3つに分けられます。
 
これは非常に稀な症状で、比較的若年層に多い傾向です。
 

腰椎変性すべり症

腰椎すべり症の中で最も多く見られます。
 
閉経後の女性に多く、加齢によって腰椎の椎間板の変性や椎間関節周辺の靭帯や関節、筋肉の緩みによって腰椎の編成が起こり、ずれが生じることで発症します。
 
すべりが生じると腰椎が安定せず、神経が通っている脊柱管が狭窄して神経に圧力を与えます。
 
その結果、腰から足にかけて痛みや違和感、しびれといった症状が現れます。
 

腰椎分離すべり症

発育期の中学生によく見られます。
 
腰椎をそらしたり旋回させたりする運動を繰り返し行うことで、腰椎後方部分に亀裂が入って起こります。
 
通常は繋がっているべき骨が離れてしまう分離症が発育期に進行し、腰椎分離すべり症に移行する場合が非常に多いと言われています。
 

形成不全性すべり症

脊椎が生まれつき正常に発育していないために発症する非常に珍しい先天性の疾患です。
 
若年層に多い傾向があります。
 

腰椎すべり症の症状とは？

坐骨神経痛のようなしびれや違和感、腰から足にかけての痛みなどがあります。
 
多くはひどい腰痛を放置したり、同一姿勢を取り続けることによって、下肢に痛みやしびれが現れます。
 
長距離を歩行することで悪化するケースも多く見られます。
 
腰椎すべり症が悪化すると、痛みや痺れがひどくなって歩行困難に陥るなど、生活に大きな支障をきたします。
 
さらに症状が進むと、何もしていなくても痛みや痺れといった症状が現れるようになります。
 
椎骨の近くには排泄機能をコントロールする神経が存在するため、膀胱直腸障害を引き起こす可能性もあります。
 
股の付け根部分から陰部にかけての知覚に障害が生じる会陰部障害を発症することもあるため、要注意です。 
 
 

腰椎すべり症に効果的な治療法

一番大切なのは安静です。
 
痛みや違和感を感じている時に長時間歩くと、症状悪化につながるので避けましょう。 
 
痛みの緩和には、ブロック注射などの痛み止めや湿布薬を用います。
 
その他にも骨格調整や骨盤矯正、ハイボルテージ治療などが効果を認められています。
 
骨格調整や骨盤矯正は、安定させる関節と緩める関節を区別し、骨盤を整えて筋肉を本来あるべき場所に戻す治療です。
 
ハイボルテージ治療は急性期の炎症を緩和します。
 
急性期の炎症は、日常生活を送るのが難しいほど激しい痛みを感じることもあります。
 

腰椎すべり症の予防法とは？

上半身や下半身を鍛えるトレーニング

アスリートがリハビリに行うトレーニングと同じですが、どのトレーニングが有効かは体の状態や症状により変わるため、自分自身で判断するのは困難です。
 
専門家の指導を受けてからトレーニングを始めるようにしましょう。
 

腰部の筋肉を温める

温めると筋肉の緊張が緩んで血流が良くなります。
 
血流の回復は痛みやしびれの症状を和らげるだけでなく、予防にもつながります。
 

ウェルカム整骨院の腰椎すべり症治療とは？

POINT①
姿勢の確認

姿勢や骨盤の状態を検査し、骨格のゆがみを確認します。
 
骨盤が傾いていると腰椎の椎間板に負担がかかってすべり症の症状を強めてしまうため、骨盤の傾きを確認します。
 
 

POINT②
骨盤を整えて腰椎にかかる負担を軽減する

腰椎にアプローチする方法は限られており、この場合、骨盤を中心に股関節、背骨全体のゆがみを矯正します。
  
必要に合わせ、整えた骨盤をさらに安定させるためのインナーマッスルトレーニングを併用します。
 

POINT③
日常生活へのアドバイス

日常生活の中の、どのような姿勢が骨盤のズレを引き起こし、腰椎に負担をかけるかお伝えします。
 
食事や睡眠、運動など基本的な生活習慣などについてアドバイスします。
 
特にうつ伏せ寝や、合わない寝具などが腰椎への負担を強めてしまいます。